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はじめに

 国立公文書館アジア歴史資料センター(通称・アジ歴)は、3機関(外務省外交史料館、防衛省防衛研究所、国立公文書館)が所蔵する近現代のアジア歴史資料(歴史公文書)について、デジタル画像として提供を受け、インターネットを通じて世界に公開するサービスを25年間にわたって実施してきました。近年は他機関との連携や、インターネット特別展、ニューズレターの配信、SNS等による広報活動の拡充を通じて、多様なニーズに応えられるよう日々努力しております。

 昨年は終戦80年という節目にあたり、アジ歴のデータベースに登録された降伏(終戦)・復員・引揚に関連する資料を広く紹介することを目的に、「しぼみゆく帝国日本-敗戦・復員・引揚-」をテーマに、終戦前後の時期に絞ったインターネット特別展を実施しました。

 本年度は、インターネット特別展として、先の大戦をはさむ昭和期を対象に、内外ともに激動の時代を生きた人々の生活、アジア諸国との関係、戦後の復興など、その多面的な様相を伝える特別展を3回に分けて公開する予定です。

 第1回は「『写真週報』にみる昭和戦時下の日本とアジア」と題して、『写真週報』の紹介を中心に特別展を実施します。『写真週報』とは、内閣情報部(のち内閣情報局)によって発行された週刊のグラフ雑誌です。1938(昭和13)年2月の創刊号から、1945(昭和20)年7月の合併号まで全部で370冊が発行されています。アジ歴では、国立公文書館に所蔵の同誌をピックアップし、アジ歴に登録された関連資料とともに紹介します。

 第2回のテーマは「日本とアジア諸国の“戦後”」です。戦後70年安倍内閣総理大臣談話に向けて設置された「21世紀構想懇談会」(20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会)の報告書では、アジ歴の充実、特に戦後資料の収集・公開の必要性が指摘されました。これを受けてアジ歴では、2017年度以降、戦後資料の公開に取り組んできました。近年公開されたこれら戦後の公文書等を中心に、日本とアジア諸国の戦後の関係史を振り返ります。


国立公文書館アジア歴史資料センター

センター長 井上寿一