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大英図書館所蔵日清戦争関係版画類

大英図書館
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大英図書館が所蔵し、アジア・アフリカ研究部が管理する全235点の日清戦争関係版画類の内訳は、179点が日本で作成されたものであり56点が中国で作成されたものです。1点を除く全ての資料※1 は1895年4月から10月にかけて大英博物館がDulau & Company, Foreign and English Booksellers (住所は37 Soho Square, London) から購入しました。金額は総額23ポンド11シリングでした。現在の約2300ポンドに当たります。大部分のコレクションは版木を使用した伝統的版画作品ですが、少数の石版作品も含まれています。

特筆すべきことは、大英博物館が資料を購入した時期が日清戦争終結の直後であることです。これは当時の日本や中国からの船便輸送にかかる時間を鑑みると驚くべく事柄ではないでしょうか。

また版画の描き方に立場によって相当の違いがあるものの、日本と中国の両者の視点から事象をとらえているということもコレクションの特徴です。

何らかの理由によって、この一連のコレクションは大多数の大英博物館が所蔵する日本や中国の版画コレクションの一部となることはありませんでした。これらはポートフォリオに纏められ、日本語書籍資料の請求記号が与えられました。1973年、大英図書館が設立されることになり、それまで大英博物館の図書部門に所蔵されていた資料は大英図書館に移管されるものと、そのまま大英博物館に残されるものに分けられました。それにはもちろん東アジア関係の資料も含まれています。大英博物館所蔵資料の振り分け作業中にも、どういうわけか日清戦争関係版画類は、当時the Department of Oriental Antiquitiesと称され、現在は博物館のthe Department of Asiaの管轄にある日本と中国の版画コレクションに付け加えられることがありませんでした。したがって他の書籍類と共に大英図書館に移管された経緯があります。

※1: 1点の大判三枚刷り資料が新規で2013年に付け加えられました。大英図書館請求記号はORB.99/230 (ORB40/1008)です。

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