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軍政に関係した資料をそろえています。 赤十字社に関係した資料をそろえています。


 日本人の食生活は、明治時代になると急速に変わっていきました。牛肉を使った料理、缶詰食品、洋食など、今日では当たり前の食べ物が庶民のあいだに広まるのは、この頃からです。そうした社会状況を反映して、日本の政府は新しい食生活に対応する法律を制定する一方、近代化する軍隊向けの新食品を開発しました。

こうした事柄に関連して、アジア歴史資料センターには以下のような資料があります。


1. 御署名原本・明治三十三年・法律第十五号・飲食物其他ノ物品取締ニ関スル件
2. 御署名原本・明治三十九年・法律第三十二号・屠場法
3. 経理局 戦用糧秣品価格に関する件
4. スープ供給方の件
5. 不良糧食品売却の件


下の画像をクリックしていただくと、日露戦争と新しい食生活にまつわる各資料を閲覧できます。



■ 国立公文書館所蔵 ■
 表 題:御署名原本・明治三十三年・法律第十五号・飲食物其他ノ物品取締ニ関スル件

 レファレンスコード:A03020433900
 この資料は、食品衛生に関する法律の公布書です。衛生観念は、近代医学とともに到来した新しい思想でした。日本政府は「衛生上危害を生する」可能性のある「販売の用に供する飲食物又は販売の用に供し若は営業上に使用する飲食器」(原文カナ)を禁止しています。


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■ 国立公文書館所蔵 ■
 表 題:御署名原本・明治三十九年・法律第三十二号・屠場法

 レファレンスコード:A03020657600
 この資料は、食肉用家畜の処理に関する法律の公布書です。食生活の変化にともなって、新しい法律が整備されていったのです。


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■ 防衛省防衛研究所所蔵 ■
 表 題:経理局 戦用糧秣品価格に関する件

 レファレンスコード:C03022852700
 
 この資料は、陸軍の携帯食品の価格について、陸軍次官から関係各位に通達した際の公文書です。「明治四十年度動員に方り交付の戦用糧食品価格表」(原文カナ)が添付されています。


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■ 防衛省防衛研究所所蔵 ■
 表 題:スープ供給方の件

 レファレンスコード:C03026279000
 
 ロンドンにあった「ボーブル」社(原文ママ、Bovril Co. Ltd.)が陸軍次官に宛てて、自社の製品を売り込んでいる書翰です。当時の「ボーブル」社はイギリス陸軍用の携帯食品を製造する企業でした。同社は第二次世界大戦後も営業を続けています。


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■ 防衛省防衛研究所所蔵 ■
 表 題:不良糧食品売却の件

 レファレンスコード:C03026447700
 この資料は、食べられなくなった陸軍用の食品を売却した件の報告書です。「一種の臭気を有し戦用に適さざる」乾燥食品を「廃除し売却」(原文カナ)したと報告しています。


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