日米交渉 資料解説
昭和16年(1941年)8月14日
ルーズヴェルト米大統領・チャーチル英首相が大西洋憲章発表


大西洋上会談でのルーズヴェルト米大統領(左)とチャーチル英首相(右)(昭和16年(1941年)8月10日撮影)
(毎日新聞社提供)
 昭和16年(1941年)8月9日より、フランクリン・ルーズヴェルト米大統領とチャーチル英首相はニューファウンドランド沖の大西洋上で会談を行います。ここで両者は、進行中の世界大戦が終結した後の世界構想について話し合い、会談終了後の14日に、それらをまとめた「大西洋憲章」を発表しました。
資料:B02030753200 対米外交関係主要資料集第三巻―本年二月以降演説、声明等― 2(14画像〜16画像)
「(11)八月十四日英米共同宣言」
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 昭和16年(1941年)8月9日から12日にかけて、アメリカ大統領ルーズヴェルトは、戦艦プリンス・オブ・ウェルズ号に乗ってニューファウンドランド沖の大西洋上を訪れたイギリス首相チャーチルと会見を行ないました。ここでは、武器貸与法の具体的適用問題や両国の協力にもとづく防衛問題が協議され、その結論として、同14日に両者の合意による、いわゆる「大西洋憲章」が発表されました。
 この憲章は全8項目からなり、アメリカ・イギリス両国の第二次世界大戦後の平和構想を発表した宣言として知られています。8項目それぞれの概要は以下の通りです。
 (1)領土の不拡大
 (2)関係住民の希望に反する領土変更の不承認
 (3)住民による政治形態の選択権尊重、並びに強奪された主権と自治の回復承認
 (4)全ての国家に対する通商と資源獲得の保証
 (5)労働条件の改善や社会保障確立のための国際協力
 (6)恐怖と欠乏からの解放を保証するための平和の確立
 (7)公海の自由航行の保証
 (8)武力行使の放棄、侵略国家に対する武装解除と軍備縮小
 資料1は、昭和16年(1941年)8月、外務省アメリカ局第1課が執務の参考用に作成した冊子で、「大西洋憲章」の英文の全文が掲載されています。
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