昭和16年(1941年)11月9日
東郷外務大臣、野村大使に対して、日支和平交渉に関するハル米国務長官の提案について、アメリカ側の意向を確かめるよう訓令
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資料1:B02030721800 6 昭和16年11月8日から昭和16年11月9日(5画像左〜6画像右)
「昭和16年11月9日東郷大臣発野村大使宛公電第七五一号 日米交渉(「ハル」提案ノ件)(至急、館長符号)(原議)」
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昭和16年(1941年)11月9日、東郷外務大臣は、野村大使に対して、11月7日の野村発公電第一〇五五号の末尾にある、ハル米国務長官が自身の思いつきとして、重慶国民政府の「最高権威者」が日本政府および国民に対して、中国(重慶国民政府)の誠実な友誼と信任を確言し、日中間の友好関係を回復することを希望することを表明するとすれば、日本はどう対応するか、と尋ねた件について、アメリカ側の意向を確認するよう、訓令しました。
資料1はその訓令電報です。このなかで、東郷は、このハルの提案は、日本と中国(重慶国民政府)との和平交渉を日中両国にゆだねる意向があり、蒋介石から日本に対し和平交渉の提案をさせる趣旨である、と理解でき、もしこの通りであるのならば、日中和平促進に対して有効であり、日本政府としても歓迎するところである、と述べています。そのうえで東郷は、政府の所見については追って電報するが、このハルの提案が「日米交渉」とどのような関係にあるのか、その具体的方法を含めてアメリカ側の意向を確認し、回答するよう訓令しています。 |
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