昭和16年(1941年)9月23日
豊田外務大臣、野村大使に対し、米側へ中国駐兵理由を説明するよう訓令
|
|
 |
資料1:B02030719300 15 昭和16年9月23日から昭和16年9月25日(19画像左〜22画像右)
「昭和16年9月23日豊田大臣発在米野村大使宛公電第五九一号(館長符号)」
|
 |
 |
|
昭和16年(1941年)9月23日、豊田外務大臣は野村駐アメリカ大使に対し、アメリカ側に日本の中国駐兵理由に関する回答を速やかに通達するよう訓令を行ないました。
資料1は、豊田から野村に宛てられた、訓令電報です。冒頭に、23日午後ドーマン駐日アメリカ大使館参事官に対して日本の中国駐兵理由について申し入れ、グルー駐日大使及びハル国務長官に伝達するように取り計らってもらったが、野村大使の方でも速やかにハルに対して伝達をするようにという訓令があります。続いて、日本が日中間に平和が回復した後も駐兵する理由が挙げられています。ここでは、その理由を第一に平和的中国の建設に協力するためであり、第二に日本自体の安全防護のためであると説明しています。続けて、中国が政情不安定である状況について詳しく説明し、駐兵の理由づけを行なっています。これによれば、中国の国内治安が定まらないのは歴史の証明するところであり、戦争の後における治安紊乱については一層顕著であるし、この状況に乗じて中国国外からの策動も少なくないため、日本やその他の国との間に事を構えるに至り、国内の不安定状況が国際的紛争に発展することはしばしばであるとしています。また、共産党の活動を指して、治安維持に有害なものとしています。ここでの日本の主張は、日本としては中国が国民生活安定の迅速な実現に全力を尽くす趣旨から国内治安維持をはかること、中国が独力でこれに当ることを希望するが、現状ではそれが困難であると思われるため、一定の地域に所要期間の間、所要兵力を駐屯させているというものでした。また、4年間の近代的戦闘の後の中国は、いかなる重大な事態が発生するかわからず、このような事態を防止し、日本自体の存立・保護を図るために駐兵は止むを得ないとしています。最後に、中国に国際軍隊を派遣して治安維持を行なう案については、日本の世論や中国の治安に直接関係する日本としては受諾できないとしています。
|
 |