昭和16年(1941年)9月18日
第53回大本営政府連絡会議(議題:N工作に関する帝国の態度表明)
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資料1:九月十八日第五十三回連絡会議 日支和平条件ニ関スル件(『大本営政府連絡会議議事録 其の二』(杉山メモ)54画像左〜55画像右) |
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資料2:昭和16年9月18日(『機密戦争日誌 其三』143画像右) |
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昭和16年(1941年)9月18日、第53回大本営政府連絡会議が開催され、前回に続いてN工作(「N」は野村駐アメリカ大使の頭文字から)、すなわちアメリカとの交渉における日本の態度について議論されました。
資料1の会議録によれば、これまでの日米交渉において日本がアメリカに表明してきた態度には、そのたびごとに異なるものがあり、したがってアメリカに対して意志がうまく伝わってこなかったとされています。これは具体的には、9月3日の第50回連絡会議で決定された「帝国国策遂行要領」別紙の内容と、野村駐アメリカ大使に対する電報の内容が異なり、さらに、9月13日の第52回連絡会議で決定された「日支和平条件」の内容と、9月10日・11日野村大使発電報に対する返電の内容が異なっていた、というものでした。こうした状態のまま、日米交渉の成否に目処をつけるタイミングとしていた10月上旬を過ぎていってしまうことを避けるためにも、「速ニN工作ニ関スル帝国ノ最終的態度ヲ決定シ米側ニ提示ス」、としています。
資料2の『機密戦争日誌』においてもこれと同様に、「「日米協定」帝国最後案(日支和平条件ト共ニ)ヲ速ニ策定米側ニ提示スルコトニ決定外務第三案ヲ基礎ニ審議ス」とあります。
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