日米交渉 資料解説
昭和16年(1941年)6月28日
第35回大本営政府連絡懇談会(議題:帝国国策要綱決定)
資料1:六月二十八日第三十五回連絡懇談会 国策要綱、対独通告文等ニ関スル件(『大本営政府連絡会議議事録 其の一』(杉山メモ)145画像〜148画像右)
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資料2:昭和16年6月28日(『機密戦争日誌 其三』70画像〜71画像右)
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資料3:情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱 昭和十六年七月二日御前会議決定(『重要国策決定綴 巻一』24画像左〜25画像右)
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 昭和16年(1941年)6月28日、午後2時より、第35回大本営政府連絡懇談会が開催されました。この会議では、ドイツ・ソ連間の開戦を受けての国策要綱(「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱」)が決定されました。
 資料1の会議録を見ると、要綱は陸海軍(大本営)によって案が作成され、これに松岡外務大臣の修正意見が出され検討された上で、ほぼ当初の案通りに決定されたとあります。
 資料2の『機密戦争日誌』にも同様の記述が見られますが、この内容からは、上記の松岡大臣の「修正意見」が即時参戦を強調したものであったことがわかります。この「即時参戦」とは、ただちにドイツと連携してソ連を攻撃するということであり、この時期に松岡大臣が一貫して主張したことでした。しかし、この主張が通ることはありませんでした。
 資料3の要綱の全文(この連絡懇談会で決定された案が、閣議での承認を経て、御前会議で国策として正式に決定された段階のものの写し)を見ると、ドイツ・ソ連戦については、現時点では日本は介入せず戦争準備は整えつつその情勢を見守る、という姿勢が定められていることがわかります。
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