日米交渉 資料解説
昭和16年(1941年)6月6日
第28回大本営政府連絡懇談会(議題:クロアチア承認、三国同盟加入、独ソ開戦)
資料1:六月七日第二十八回連絡懇談会 「クロアチア」国承認及三国同盟加入並独「ソ」開戦ニ関スル件(『大本営政府連絡会議 議事録 其の一』(杉山メモ)121 画像左〜122画像右)
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資料2:「昭和16年6月6日」(『機密戦争日誌 其の三』45画像〜46画像)
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 昭和16年(1941年)6月6日、第28回の大本営政府連絡懇談会が開催されました。
 資料1は、この連絡懇談会の会議録です。この会議ではまず松岡外務大臣から、1941年4月にユーゴスラヴィアからの独立を宣言していたクロアチアの国家承認と三国同盟加入の件が提起され、陸海軍の同意を得ています。ひき続いて松岡外務大臣から、大島駐ドイツ大使の、ヒトラー総統、リッベントロップ外務大臣との会談をふまえた独ソ開戦の見込みに関する報告について説明がおこなわれ、松岡外務大臣がさらにこれに関する所見を述べています。
 なおこの資料では連絡懇談会の日付は6月7日と記してありますが、刊行されている参謀本部編『杉山メモ』(原書房 昭和42年)218ページでは、この日付について「六の誤りか」という記述があります。また次に掲げる資料2でも、この連絡懇談会が行なわれた日付は6月6日とされています。以上のような事情を考慮して、ここでは第28回連絡懇談会の日付を6月6日としました。
 資料2の『機密戦争日誌』にもこの会議に関する記述があります。ここでは大島駐ドイツ大使からの独ソ開戦概ね確実という報をうけて連絡懇談会が開催され、「至急独「ソ」開戦ニ伴フ帝国国策ヲ決定スルニ意見一致」した、と記されています。
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