日米交渉 資料解説
昭和15年(1940年)9月19日
第3回御前会議(議題:日独伊三国条約)
資料1:B04013490500 日独伊同盟条約関係一件 第二巻 分割4(1画像〜12画像)
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資料2:「昭和十五年九月十九日 御前会議控ヘ」 『日独伊三国条約 御前会議議事録』 (94画像〜123画像)
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 昭和15年(1940年)9月19日、第3回の御前会議が開かれ、日独伊三国同盟条約締結についての最終的な意思確認が行なわれました。
 資料1は、昭和15年(1940年)10月に外務省条約局が作成した『日独伊三国条約各種案文作成及国内手続経緯概要』という文書の、日独伊三国同盟締結を議題とした御前会議に関する部分です。御前会議の開催経緯、参加者のほか、会議開催にあたって用意された次第案、議題、要綱案、また近衛内閣総理大臣の挨拶文案、松岡外務大臣の説明文案などが記されています。松岡外務大臣の説明文案では、この同盟締結の理由として、日米関係を改善しこの上の悪化を防ぐためには日本が毅然とした態度を採ることが不可欠であり、そのためには一国でも多くの国と提携しその事実を内外に周知することによってアメリカに対することが必要である、という点が強調されています。
 資料2は、この御前会議の議事録の控えで、「次長記述」という書き込みがあります。会議の質疑応答の中では、海軍軍令部総長から、同盟の結成によりイギリス、アメリカとの貿易関係が一層悪化し最悪の場合は依存物資の取得がいよいよ至難となり、また日米戦争は持久戦となる公算が大きいが、日中戦争による国力消耗の現状に鑑み国力持続の見通しやその対策はどうか、といった質問や、対米戦争となれば海軍が第一線で働くことになるが、その際軍需品は貯蔵分と、北カラフト、蘭領インドなどで補充の見込みがあるも、海軍の貯蔵分では長期戦は不可能である、この長期戦に要する石油の補充をどうするか伺いたい、といった質問がなされています。
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