朝鮮

朝鮮総督府の簡易生命保険制度実施に際し設立された、被保険者の権利義務確保のため保険者（朝鮮総督府）と被保険者間の争議に関する審査を担った官署。朝鮮総督の監督に属した。朝鮮簡易生命保険令（朝鮮総督府制令第5号、以下保険令とする）の施行に伴い、1929年9月の朝鮮簡易生命保険審査会規程（勅令第308号）により設置が定められた。当初、会長には朝鮮総督府政務総監があたり、委員には朝鮮総督府内務・法務・逓信各局長、総督府事務官3名、逓信事務官1名、学識経験者3名が任じられた。保険令が依拠する内地の簡易生命保険法では、被保険者が保険者相手に民事訴訟を起こすには簡易生命保険審査会での審査実績を要すると定められていた。（改正大正15年3月25日法律第4号、第29条）すなわち被保険者が保険者の処分に不服を申し立てる意思がある場合は保険者への審査請求が必ず為されるということであり、同会は当該請求の審議裁決の任に当たった。

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朝鮮簡易生命保険審査会規程は、A03021749800（1929年9月）、A03022650700（1941年11月）、A03022860800（1943年9月）を参照。内地における簡易生命保険法は、A03021059300 （1916年7月）、A03021362800（1922年4月）、A03021583600（1926年3月）、A03021795200（1931年3月）等を参照。「朝鮮簡易生命保険令明治四十四年法律第三十号第一條及第二絛ニ依リ勅裁ヲ得テ茲ニ之ヲ公布ス」朝鮮総督府制令第5号、1929年5月4日（『朝鮮総督府官報』第695号、1929年5月4日）。朝鮮総督府『施政三十年史』朝鮮総督府、1940年、256-257頁。