日米交渉 資料解説
昭和16年(1941年)10月18日
東条英機内閣成立


東条英機内閣成立(昭和16年(1941年)10月18日撮影)
(毎日新聞社提供)
 昭和16年(1941年)10月18日(土)、第三次近衛文麿内閣が解散し、東条英機内閣が成立します。これによって東条は、内閣総理大臣・陸軍大臣・内務大臣を兼任し政治・軍事・警察において主導する立場となりました。また、アメリカ・イギリスとの開戦を主張する東条が政権を握ったことは、対外的には日本による開戦の意思の明確化と捉えられることにもなりました。
資料1:A03023528100 任内閣総理大臣兼内務大臣陸軍大臣 陸軍大臣兼対満事務局総裁陸軍中将東条英機(1画像〜2画像)
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資料2:B02030747900 日米交渉経緯 下巻(其ノ一) 1 (1画像)
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資料3:十月十八日三長官会議及重臣会議ノ模様(『大本営政府連絡会議議事録 其の二』(杉山メモ)75画像左〜79画像)
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 昭和16年(1941年)10月18日、同16日に総辞職した第三次近衛文麿内閣に代わって東条英機内閣が成立しました。
 資料1は、東条を内閣総理大臣、兼任で内務大臣及び陸軍大臣(留任)に任命する辞令です。
 資料2は、外務省が昭和17年(1942年)7月に作成した内部資料『日米交渉経緯 下巻』の東条内閣成立に関する記述です。この中ほどでは、同内閣において外務大臣に就任した東郷茂徳の発言が引用されています。ここで東郷大臣は、日本外交の目的が「世界平和ノ維持増進」であることを強調し、「飽迄毅然タル態度ヲ以テ是ヲ擁護シ以テ皇国ノ光輝アル歴史的使命ノ達成ヲ図ラサルヘカラス」と、外務大臣としての決意を示しています。
 資料3は、三長官会議(陸軍大臣・参謀総長・教育総監のいわゆる「陸軍三長官」による会議)における、東条の内閣総理大臣就任に際してのいくつかの議論を示した記録です。東条が就任に際して天皇から陸海両軍の協力を申し付けられたことや、豊田副武海軍大将の海軍大臣就任に反対したこと、また、東条を予備役でなく現役とし、さらには海軍大臣が大将であることを考慮して中将から大将に進級させたこと(5年に満たない時点での進級は特例)などが記されています。
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